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不動産部分の調査における重要ポイント
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| 躯体・設備の状況: 旅館は建物が古くから存在している場合が多く、かつ更新投資や修繕・補修が不足している場合が一般的で、特に大型旅館にその傾向が見られます。 従ってエンジニアリングレポート等で建物の状況を調査するとともに必要な維持更新設備投資費用、維持修繕・補修費用等を把握することが重要です。その結果将来の投資費用が大幅にかかるケースもございます。 温泉及び温泉権の調査: 旅館においては温泉は必須の集客ツールですので、温泉の成分や温度、湯量のほか、源泉、循環濾過、加水、加温等の別を調査することが重要で、表示に虚偽が無いか等を調査する必要があります。 また、温泉権は源泉権と引湯権とがありますが、不動産のように登記して第三者対抗要件を確保することはできません。源泉部分の土地の登記はあっても温泉の権利は第三者である場合もあり、温泉地の慣習によって温泉権を調査する必要があります。 一般的には温泉組合への登録、鉱泉地の権利証、湧出施設の所有権、温泉に対する現実支配、湧出施設での看板等を調査する必要があります。 |
| マーケットの調査における重要ポイント |
| 対象旅館の存する温泉地の状況: 対象温泉地の観光客・宿泊者数の動向、観光需要創出要素の分析、観光客のセグメント分析、トレンド分析、アンケート調査結果分析等を行って温泉地の需要動向を調査・分析することが重要となります。また、旅館の閉鎖、新規供給、経営交代、売買状況等の調査を行うことにより供給面の動向を把握することも必要です。 また、周辺を含めた温泉地の競争力分析を行うことも有用です。過去の推移を分析することで対象温泉地や競合する温泉地の勝ち負け状況が考察でき、原因分析を行うことにより温泉地の将来性を想定する土台となります。 競合旅館の状況: 顧客が旅館を選ぶ際、温泉地を決定して旅館を選ぶ場合と料金・サービス等を決定して広く旅館を選ぶ場合とがございます。従って、同一温泉地内だけでなく、周辺温泉地も含めて競合となりうる旅館を抽出し、施設内容、料金体系、サービス内容、評判、等を調査し対象旅館との比較を行い、競争力の分析を行うことが重要です。 |
| キャッシュフローの調査における重要ポイント |
| 顧客セグメントの分析: 旅館の売上構造の分析に際して顧客セグメントの分析は不可欠です。予約経路別、地域別、プラン別、人数別(個人・団体別)、部屋タイプ別、の宿泊人数・単価を月別や曜日別等に分析することにより旅館の特色とトレンドが把握でき将来想定に繋がります。 売上・費用の精査: 旅館は古くから独自のシステムで会計処理を行っている場合が多く、売上や費用の計上基準がまちまちであったり、各資料の整合性が取れない場合がございます。従ってキャッシュフロー分析の前段として、提出された資料を精査しインタビューを行いながら適正な計上に修正し正しいキャッシュフローを算出することが重要となります。 重要なコストとベンチマーク比較: 旅館を調査する上で重要なコストとしては主に、売上原価、人件費、水道光熱費、消耗品費、送客手数料、業務委託費等が挙げられます。 これらを含めた重要なコストについては増減分析を行い、ベンチマークと比較することにより違和感等を抽出することができ、可能であればインタビュー等で違和感の精査を行うことが重要となります。 旅館の場合、仕入れを地元業者に依存し料金の見直し等を行わないケースが見られ、売上原価、消耗品費、業務委託費等の単価が高止まっている場合もあり、インタビューを含めた詳細な調査が必要となります。 |
| その他の重要ポイント |
| 「人」の調査: 旅館は「家族」的経営が行われていることが多く、一族による経営支配により、戦略の方向性の迷走、従業員のモチベーションの低下、経費の公私混同等が問題となるケースも少なくありません。従って可能であれば上層部だけでなく、現場管理クラス、現場クラスにもインタビューやヒアリングを行い問題点を把握することが重要です。 また、従業員のモチベーションが低下している旅館ではモラルの低下により、業者との癒着、金・物の使い込み、等が起こるケースもあります。 運営の調査: 旅館はホテルのようにオペレーターが確立している業種ではなく、各々が独自のオペレーションを行っています。従って、組織体制、各部門の業務内容、業務フロー、兼務体制、指揮命令系統、等を調査し問題点等を把握することが重要です。 |
